| トップページ > 20080717 | ||||
タコの日向ぼっこ
俺のホームグランドの一つであるせたな漁港から
磯場におりて行くと蝋燭岩があります。
この釣場は潮の満ち引きによっては、
長靴で行けるのですが、
少しうねりがあると、長靴の上スレスレになる時があり、
時にはその中に海水が入り込んできます。
場所によってはエンカマもあり、
何かに気を取られて下を見ないで歩くと、
ズボッと足を落とすコトがあります。
この日は、天気も良く弱い北西の風が吹いておりました。
俺は釣りをしていたら、隣に地元のおじいさんらしき人が
釣りに来て、釣座を構えました。
俺はこのおじいさんから、
「この釣場にな、稀だけどタコが日向ぼっこしていると
ウワサがあるんだよ。」
と声をひそめて教えてくれました。
「エェー、ウソ、タコが日向ぼっこなんてするの?
それって、誰かが釣ったタコじゃないの?」
と聞き返すと
「それが、違うんだ。
本当に日向ぼっこしているんだよ。」
といい、疑っている俺に向かって、
「でな、そのタコがな、陸にあがって、
のほほ〜んと日向ぼっこしているから、
時々、人に見つかり取られるんだとさ。」
と続けていいます。
どう考えても、俺には理解出来ません。
「おじさん、その光景見たの?」
と疑いの目で見る俺に、
「いいや、だから、ウワサだって!
でも、取ったと言う人がいるから、
まるっきしのウソではないじゃろ。」
といい、
「あのな、タコ取ったら漁師には見つかるなよ。
タコ取られて、保安庁に通報されてな、罰金と前科だぞ。」
と親切に教えてくれました。
他にも色々と世間話をしていると、
「実はな、俺もタコの日向ぼっこを見たくて来たんだ。」
と言います。
この気の良いおじいさんにつられて、
俺もなんだか、
タコの日向ぼっこが見たくなりました。
きっと、浅瀬によってきたタコを見た人が、
「タコが日向ぼっこしていた。」
と言っていたのではないかと、
俺は解釈しました。
俺はこの時、カレイ狙いできていて、
数枚の良型と数本のホッケを釣りました。
それを見たおじいさんは、
「わし、ばあさんと二人暮らしなんだ。
2枚だけ分けてくれないか?」
と言われたので、
タコの日向ぼっこの話も教えてくれたお礼に、
数枚のカレイと数本のホッケを分けてあげました。
それから、この釣場を訪れる度に、
タコの日向ぼっこを探している俺がいます。
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