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マムシに睨まれてー1
ある年の6月、俺は次の大会で、
自分が入る釣場の下見に行きました。
その場所は、島牧村・茂津多駐車場前の穴床前。
過去には大きなソイとかハチガラが釣れたと、
本に書かれておりました。
俺1人だったら何処でも良いのですが、
嫁も一緒なので、
彼女がそこまで行くルートを確かめに行ったのです。
時間は午後3時、足元の明るいうちにと思い、
長靴を履いて、岩肌を歩きました。
何気なく足元を見ると、
トグロを巻いたマムシと目が合いました。
俺は、蛇とハチと女が大嫌いなんです。
特に女は、女は・・・・俺は・・・・
女は・・・・嘘です。大好きです。
すみませんでした。
マムシは俺と目を合わせたきり、コチラを睨んでいます。
俺は、這う這うの体(てい)で、転びそうになりながら、
車まで戻っていきました。
『なにしてるの?』
と、嫁は聞きます。
「へっ、ヘビ。マムシ!」
と言うのが精一杯の俺でした。
『どこ?私、見に行くー!取ってくるーアハハァー!』
と目を輝かせて、ふざけた話をする嫁でした。
嫁は、野生児同然の育ち方をしてきたので、
蛇なんかヘッチャラなのです。
そのマムシを取って、何処かに売ろうと考えたようです。
「やめろ、噛まれたりしたら死ぬぞ。」
と俺は止めました。
『マムシは1本、5千円で買って貰えるんだよ。
買って貰えなくても、マムシ酒にして、
あんたに毎晩飲ませたげるゥー。』
と意気込んでおります。
『ところで、私、マムシって見た事がないんだけど、
どんな色してんの?』
無知は危険を凌がする。
どこまでムッ鉄砲な嫁なんだろう・・・あきれて、
二の句がつげません。
嫁は獲る気満々だったのですが、俺は車のエンジンを掛け、
その場から立ち去りました。
もちろん、文句を言われました。
つづく。
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